住友林業株式会社
住友林業株式会社は、木造注文住宅で国内トップブランドである「新築住宅事業」、木材・建材商社で国内売上高ナンバーワンの「木材建材事業」、国土の900分の1の山林を経営している「山林環境事業」等の事業を展開している会社です。今回は、住友林業株式会社の片山氏に人財育成の考え方や「7つの習慣®」と「ヘルピング・クライアンツ・サクシード」の導入についてのインタビューをしました。
インタビュー: 住友林業株式会社 人事部 スミリンビジネスカレッジ 片山 牧彦 氏
2011年に誕生したスミリンビジネスカレッジ
弊社は、グループ会社を含めると、約17,000人の社員が働いています。人財育成に関して、グループ全体として「自立と支援」をキーワードに、『高い士気と誇りを持つ社員を育成する』という目標を掲げています。そのため、2011年に「スミリンビジネスカレッジ」を発足させました。それまでは「採用」と「研修」は同じグループでしたが、「研修」を独立させ、より人財育成に力を入れていくことになりました。私はこの「スミリンビジネスカレッジ」の誕生とともに注文住宅事業の現場から異動してきました。
この部署で最初に掲げたテーマが「やる気がある人を応援する」というものです。従来の研修は、年齢や職務によって、一律に招集する研修が主流だったため、受ける社員もやらされている感覚があったり、そもそも、あまりやる気がない人たちも含まれていたりしたのが現実でした。「それではあまり効果がないのではないか」「どうにかこれを打破しよう」という思いから、2012年に「SBC講座(手挙げ方式の自己啓発型の研修)」を立ち上げ、そちらの比重を大きくしました。
その「SBC講座(手挙げ方式の自己啓発型の研修)」では、参加者は自ら手を挙げてきた人ばかりなので、議論も活発になり研修自体も非常に盛り上がります。やる気がある人たちが伸びていくことによって、今まで研修などにも渋々参加していた層が、焦って自ら動こうとするというメリットもあります。現在では20以上の講座があり上期東京・下期大阪と、同じ講座を東京・大阪で実施しています。新設講座を次々と開設して行く上で、ひとつのテーマが出てきました、「信頼」という新たなテーマです。
人財育成上の課題
私たちの会社は現在「木」に関する様々な分野に進出していますが、主力の事業はやはり注文住宅事業です。現場では、今まで何十年と、「住宅展示場に来てくださったお客様に対してアプローチする」というスタイルをとってきました。しかし少子化や不況もあり、住宅展示場に足を運んでくださるお客様、新築で家を建てようと考えるお客様は年々減少傾向にあります。そこで、展示場にお越しいただいたお客様と営業担当が良好な関係を築く事がより重要になってきていると考えました。また設計者や現場監督、弊社には住まいに関係する関連会社が多数ありますので各社の担当も含め、それぞれの立場でお客様と信頼関係を構築し、満足度を高めていただく。そのようにして、住宅を購入いただくお客様と末永く良好な関係を築き、様々な場所で弊社のファンとなっていただく必要があるとも考えました。そのためのポイントは人間同士の「信頼関係を築く」ことです。
住宅関連事業では長期間に亘りお客様と良好な関係を築いていくことが大切です。「建てたら終わり」ではなく、むしろ「建て終わったところからがスタート」であるという事です。そうなると大切なのは、お客様に信頼され、良い人間関係を築くこと。一人一人の社員がこの意識を持って実践できるかどうかという事が、大きな課題になります。また、良い人間関係を構築するという事は、お客様だけではありません。お客様はもちろん、社内で関わる様々な人間同士、身近な上司や部下も含めて良い人間関係を構築する・信頼関係を築くことが、お客様満足の向上にも繋がり今後ますます重要になっていくという所に思い至りました。
ところが、従来「SBC講座(手挙げ方式の自己啓発型の研修)」で実施していた研修は、マネジメントスキルやビジネススキル、営業手法などの「スキル」が中心だったため、それとは別にお客様や周囲の人たちと良好な信頼関係を構築して行く為の、人間力アップに関する研修を行いたいと考えました。一方で企業内研修に人間力向上・信頼、というテーマを導入する事に迷いもありました。私自身は、論語や東洋思想が好きということもあり、人間関係の根本に深くかかわるものとして長年学んできましたが、企業内研修で行うのはちょっと違うかな、と・・・・・・・そのような時にフランクリン・コヴィー社と出会いました。
フランクリン・コヴィー社、「7つの習慣®」との出会い
フランクリン・コヴィー社との出会いは、正直なところ、最初の印象はあまり良くなかったです(笑)。公開コースの「7つの習慣®」のイメージを持っていた為、まず「3日間」というのが、日々忙しい社員が参加するには現実的にハードルが高いですし、手帳とセットで研修を行うのはいかがなものかと。また、内容的にも自己啓発に近く、ビジネスとは遠いのではないか、という印象がありました。それをコヴィー社の営業の方から色々提案して頂く中で、十分ビジネスに対応できる内容であること、社内の課題を踏まえて細かいところまでカスタマイズできる事を知りました。
徹底したカスタマイズが導入の決め手に
そして私自身が公開コースを体験してみたのです。するとゲームやDVDが非常に効果的に使われていて、まったく飽きることなく楽しみながら、さまざまな気付きを得られることが分かりました。そして求めていた、「信頼関係」「人間力」を高めるコンテンツがそこにはありました。ただこのまま導入するわけにはいかないので、コヴィー社の営業の方と何度も打合せを重ね、「7つの習慣®」のテーマを絞り「SBC講座:7つの習慣に学ぶ結果を変える自己変革」、「SBC講座:7つの習慣に学ぶ信頼のコミュニケーション」という二つの一日コースを一緒に設計しました。
一つめの「7つの習慣に学ぶ 結果を変える自己変革」は、自分が変わる事によって周囲に良い影響を与え、組織を変えていこう、というメインメッセージのもとに、「7つの習慣®」のうち、1、2、3、の習慣をメインに学びます。もう一つの「7つの習慣に学ぶ 信頼のコミュニケーション」は、コミュニケーションをしっかり取り、お客様や組織内(上司・部下間等)にそびえ立っている「壁」を打ちこわしていこう、ということをメインメッセージに、「7つの習慣®」の4、5、6の習慣をメインに実施しました。また「7つの習慣®」の中には「パラダイム転換」という、「ものの見方や考え方を意識的に変えること」を学ぶ単元があるのですが、変化を受け入れ、グローバル化を目指す弊社としても非常に重要なテーマでしたので、演習は異なりますが両講座に入れました。全員が講座を両方受けている訳ではないので、それぞれにもう一方の内容も織り交ぜつつ、どちらか一方だけでも「7つの習慣」をしっかり理解出来る構成になっています。
また、フランクリン・コヴィー社のソリューション営業研修プログラムである「ヘルピング・クライアンツ・サクシード」も、「7つの習慣®」と同じく「営業場面における、信頼関係を築くことの大切さ」を伝えているので、研修名は変えましたが「7つの習慣シリーズ」の第三弾として、「7つの習慣に学ぶ 成功するセールスの原則」という一日講座として実施しました。おかげでどれも非常に好評で、講座によっては募集定員を超えてしまうものもありました。ひとつ受講すると、もう一つの方も受講したいという社員や、受けた同僚からとてもよかったと聞き、受講する社員も多く、社員間でもとても話題になったようです。
研実際に受けた社員からは「自分が変わった」との声が多数
研修実施後に受講した社員へアンケートを取ったのですが、「主体的に動く事ができるようになった」、「今まで嫌だったチラシ配りを自らやるようになった」、「研修で学んだミッションステートメントを自分で作った」「ぜひ支店の人や上司にも受けてほしい」といった声がたくさんありました。自分自身の考えが変わった、その結果が行動として現れた、ということを多くの社員が経験しているようで、本当に威力のある研修であると実感しています。ここで学んだ人間力や、自ら動く力をしっかりと実践しながら、一人一人がお客様はもちろん、関連会社や社内の上下関係を含めて「本当に信頼のあるコミュニケーション」を築いていけることを期待しています。
私たち住友林業は、個人のお客様の家や建造物を建てるということだけではなく、「日本のため、社会のために役立つ企業でありたい」という強い意識を持って、山林の保有・管理や木材建材の製造・流通など住生活に関するあらゆるサービスをグローバルに行っています。ひとりひとりの人財の根本的な強化により弊社の経営理念にもある「豊かな社会の実現」に貢献できればと考えています。
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