実行ビタミン1は、「時間管理のマトリックス」です。
このビタミンは、いつも時間がないと嘆いている人によく効きます。
まずは、自分の時間の使い方がどうなっているかを自覚することから始めてみましょう。
1日24時間は全ての人に平等に与えられている資産です。
だから、残念ながら「時間がない」のではなく、「時間がないと思いこんでいる」と表現した方が正しいでしょう。
仕事に追われているということは、「緊急で重要」なことに時間をとられていることになります。〆切が迫っているのですから、「やむを得ないんです」と言えなくもありません。
しかし、ここで考えてほしいのです。
本当にそれだけに時間をとられているのでしょうか。
もしかすると、緊急だけど重要ではない事柄(突然の来訪者への対応、多くの会議など)や緊急でもなく重要でもない事柄(暇つぶし、世間話、だらだらした電話など)に時間が奪われていないでしょうか。
図のように出来事を緊急と重要で区分けしたものを「時間管理のマトリックス」といい、緊急でないが重要なタスクを先にスケジューリングしてしまえば、大切なことを諦めることはありません。
また、朝のたった10分、15分を計画の時間に回してどのように段取りを組むかを考えただけで解決することがあるのではないでしょうか。
たとえば、緊急なミーティングが追加されたり、内打ち合わせがキャンセルになったりすることも、毎朝10〜15分で調整することができれば、時間を有効に活用することができるようになるはずです。
「忙しくて時間がない」と考え、言葉を発する前に、一度でいいから立ち止り、自分の状況を確認してみませんか。
私たちは「時間管理のマトリックス」を使うことで、自分の時間を自分でデザインし、実行に移せる力があるのです。
詳しくは『完訳 7つの習慣』199ページを参照
実行ビタミン2は、「大きな石」です。
このビタミンは、仕事とプライベートの両立に悩んでいる人によく効きます。
そもそも、自分にとって重要事項である「家族」のことや「仕事」のことを二者択一で考えることがどうなんでしょうか。 私たちにとって家族も仕事も重要事項。そのどちらも大切にする方法というのはいくらでもあるのではないでしょうか。
それには、「1週間」を見渡し、バランスよく計画する、ことをお勧めします。
当然ですが、仕事を後回しにはできません。ルーティンワークに加えて、必ず押さえておかなければならない予定はあらかじめ手帳に、〆切の迫った仕事は細切れにして計画に入れてしまいます。場合によっては、家族との大切な約束があるのであれば、それを先に計画に入れ(大きな石を入れる)、その約束を果たすために仕事の計画を立てるということもアリです。
器に大きな石(大切な出来事)を先に入れてしまえば、その隙間に砂(後回してもいい出来事)を入れることができるように、大切な出来事の予定を先にスケジュールに入れてしまえばいいのです。 極端なことを言えば、家族との約束(大きな石)を果たし、それから仕事(砂)に行くことだってできるということです。
時間の使い方が大事だということは誰でもわかっています。しかし、どう使うかは、一人ひとりが決められるのです。
時間に縛られるのではなく、大切なことを優先させるために、どんな時間の使い方ができるのかを斬新な方法で考えてみるのも一つの解決策です。
私たちは、「家族」か「仕事」かという二者択一の選択ではなく、「大きな石」を先に入れることで、「家族」も「仕事」もバランスよく考えて大事にする、という選択もできるのです。
詳しくは『完訳 7つの習慣』の204ページを参照
実行ビタミン3は、「最良を選ぶ」です。
このビタミンは、最も大切なことを実行できないと嘆いている人によく効きます。
いつも締め切りに追われていたり、クレーム対応などに追われているから、自分は最優先事項を優先していると思っていたら、大間違いです。
それらは緊急事項ではあっても、最優先事項ではないからです。
緊急の用事は、電話のベルのように早くやれと私たちを急き立てますので、誰でも対応せざるを得ません。しかも、緊急の用事の中には、楽しいこと、簡単にできること、面白いこともたくさんあり、一定の達成感も得られるので緊急中毒になっている人もいます。
あなたの成長に不可欠な、人間関係づくりや準備や計画などといった最優先事項は、あなたをせき立てないので、どうしても“ベルが鳴らない”大切なことは後回しにしてしまいがちです。
ただ、冒頭のビタミン診断で紹介した調査では「危機や緊急事態が起こらないように予防策を立てている」と回答した人は2割強の人しかおらず、多くの人が緊急対応に振り回されていることが想像できます。
誰でも毎日、多くの物事に対して「イエス」か「ノー」を選択しています。
そこで、最優先事項を優先するには、他の用事がいくら緊急に見えても、明るくにこやかに、弁解がましくなく「ノー」と言えなければなりません。
ためらわずに「ノー」と言うためには、それよりも強い「イエス」、もっと大事なことがなければ「ノー」とは言えません。多くの場合、「最良」の敵は「良い」なのです。「最良を選ぶ」ことで最も大切なことを実行できるようなるのですから。
詳しくは『完訳 7つの習慣』の209ページを参照
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