大量の仕事に忙殺されて、疲弊していないだろうか。
特に、上司としてある程度の立場になると、複数のプロジェクトを抱えたり、多くの部下に目を配ったり、さまざまな決断を下したりと、負荷が大きいと感じる人も多いのではないかと思う。
しかし、へとへとに疲れ果てている状態では、良い仕事はできないし効率も悪い。心身が消耗するばかりで生産性の低い状態に陥っているとしたら、速やかに改善したいところだ。
疲弊するほど忙しい毎日を、一度見直してみてほしい。
あなたが「やらなければ」と抱えている仕事は、本当にあなたがやらなければならないものなのだろうか?
コリー・コーゴンは、『5つの選択 卓越した生産性を実現する』(キングベアー出版)の中で、業務上のさまざまな事柄を「大きな石」と「小さな石」にたとえて、生産性を高める方法を紹介している。
「大きな石」とは、大切な人間関係や責任、重要なプロジェクトや会議など、緊急でなくとも重要な物事のこと。「小さな石」とは、メールや電話、暇潰しなど、重要性の低い事柄のことだ。
この2種類の石を「生活」という名のバケツの中に入れるとしたら、あなたはどんなふうにバケツを満たしていくだろうか。小さな石をまずバケツに入れるだろうか。それとも、大きな石を優先的に入れていくだろうか。
小さな石から先に入れたバケツを選んだ方は、困った状況に陥る可能性が高い。なぜなら、些細な事柄をすべて先に詰め込んでしまって、後から重要な用件を詰め込もうとしているからだ。今日の世界では、小さな石がひっきりなしに押し寄せてくるため、このやり方ではうまくいかないだろう。
(コリー・コーゴン『5つの選択 卓越した生産性を実現する』キングベアー出版 )
あなたは、石の大小を確認しないまま、すべての業務をこなそうとしていないだろうか。
技術が発達した現代では、メールやチャットなどのやり取りがいつでもどこでも行えるようになり、インターネットを通じて情報が24時間流れ込んでくる。そして、その中には「小さな石」にあたるような重要性の低いものも多数混じっているはずだ。
必ずしも重要とは限らない物事に振り回されて生産性が下がっているのだとしたら、あまりにもったいない。
だから、コーゴンは“まず大きな石を詰め、避けられない小さな石を大きな石の隙間に詰めると生産性が向上する”(p.148)とも説いている。
避け難い小さな石が私たちの生活に氾濫している中で、本当に重要な少数の優先事項にまさに最高の意識とエネルギーをより集中的に注ぎ込み、それを達成するのだ。
(コリー・コーゴン『5つの選択 卓越した生産性を実現する』キングベアー出版 )
忙しいことが美徳とされた時代もあったが、少なくとも今日では、「仕事をたくさん詰め込めば生産性が高い」という評価はなされない。
たくさんの仕事を抱えがちな立場にある人こそ、「小さな石」に振り回されていないか、一度見直してみてはどうだろうか。