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組織のチームワークと主体性を高める「ミッション・ステートメント」作成のすすめ

いつも指示待ちでやる気がない。
自分以外のことに関心がない。

組織内にそんな無気力・無関心なメンバーがいると、チームワークが機能せず、組織がうまく回らなくなってしまう。
リーダーとして組織をまとめなければならないのに、思うように動いてくれないメンバーがいる場合、どうしたらいいのだろうか。

 

そもそも、なぜメンバーが無気力・無関心になってしまうのか考えてみたい。
大きな理由の1つが、組織としての方向性が見えないことだ。
何を目指せばよいのかわからない状態では、人は誰でも戸惑うし、何をすればよいのかわからなくなる。
たとえ地図や方位磁石を持っていても、行き先が決まっていなければどうにもできないのと同じことだ。

 

部下の無気力に悩んだ場合、むやみに相手を変えようとするのではなく、まずは組織としての方向性を明確にすることが解決策になるはずだ。
組織をまとめるためには、まず目指すべき目標をメンバーと共有することから始めたい。

 

コヴィー博士は、『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版)の中で、「ミッション・ステートメント」の作成を勧めている。これは「信条あるいは理念を表明したもの」だ(p.131)。
組織のミッション・ステートメントを作成することで、組織としての行き先をメンバーに提示することができる。共通の目標ができれば、チームは結束しやすくなるのだ。

 

では、ミッション・ステートメントを作る際に大切なことは何だろうか。

組織のミッション・ステートメントが効果的であるためには、その組織の内側から生まれたものでなければならない。経営幹部だけでなく、組織の全員が意味のあるかたちで作成のプロセスに参加する。

(スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版 )

 

ミッション・ステートメントは、リーダーが勝手に作成するものではない。メンバー全員が作成に関与してこそ機能するということを忘れてはならない。

 

組織の全員が本心から共感できるビジョンと価値観を反映したミッション・ステートメントは、組織の結束と決意を生み出す。そのようなミッション・ステートメントを持つ組織では、一人ひとりが自分の役割に打ち込める。一人ひとりの心と頭の中に、自分の行動を導く基準、ガイドラインができているから、他人からの管理、指示も要らなくなる。アメとムチを使わなくとも、全員が自発的に行動する。組織がもっとも大切にする不変の中心を、全員が自分のものとしているからである。

(スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版 )

つまり、メンバー全員がミッション・ステートメントの作成に関与することで、組織が目指すべき方向性が定まるのみならず、メンバーの自発性・主体性も引き出されるということだ。

 

組織が成果を出すためには、各メンバーが組織の掲げる目標に向かって主体的に行動することが重要になる。そして、ミッション・ステートメントは、それを実現するための拠り所であると同時に、各人の行動を促すための効果的なツールでもあると言えよう。

組織づくりに関する悩みを抱えているリーダーは、部下とともにミッション・ステートメントを作成してみてはいかがだろうか。

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