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リーダーに必要なのは、人を動かす力よりも「意図を伝える」自己分析力

ひとつのチームで仕事をする場合、リーダーが方向性を示してくれないことが部下たちのストレスになることもあります。

「そんな大げさな。指示さえ出せば作業はできるはず」と考えてしまう人もいます。
しかし、リーダーがなぜAという行動を取ったか、なぜBという指示を出したかなどの「意図」を理解することは、パフォーマンスだけでなく信頼にも多大な影響を与えます。

 

スティーブン・M・R・コヴィーは、著書の中で意図の重要性と問題を示しています。

・人は自分を意図で判断するのに対し、他者は行動で判断する傾向がある。
・人はまた、自分のパラダイムや経験を基準にして他者の意図を判断する傾向がある。
・意図をどう見るかが信頼に大きく影響する。
・人はよく他者の行動を判断し、その結果に基づいてその人に疑念を抱く。
・自分の意図に対する他者の判断に対し、自分が積極的に働きかけることが重要である。

(スティーブン・M・R・コヴィー『スピード・オブ・トラスト』キングベアー出版)

 

リーダーがどんなに方向性を示したくても、部下たちの目にはその意図よりも行動が先に目に入ってしまいます。

たとえば、リーダーであるあなたが特に何も考えずにした「意図のない指示」。
それも、部下の過去の経験などによっては「部下を一段下に見ている」とか「仕事を押しつけてきた」、「偉そうにしている」と映ってしまう可能性があります。

信頼されるリーダーでありたいのならば、自分が部下たちにどんな方向性を示すことができるのか、つまり、自分がどんな意図をもって仕事に取り組もうとしているのかを、自分の中で明確にしておく必要があります。

 

M・R・コヴィーは、さらに「意図とは何か?」について言及しています。
彼によれば、意図は「動機」、「思惑」、「行動」の三つによって構成され人に伝わっていくものだということです。

動機:動機とは、何かをする根拠である。「ある事」を「なぜ」するのかということだ。

思惑:「思惑」は動機から生まれる。動機をもとに、何をしようと思うか、どう進めようとするかということだ。最も信頼を与える思惑は、お互いの利益を追求しようとすることだ。すなわち、全員にとって最高の結果を誠実に追い求めるのである。

行動:「行動」というのは一般的に、動機や思惑が具現化したものだ。信頼性を生み出し、信頼されるのに何よりも効果的な行動は、他者の最大の利益のために振舞うことである。そうすると、心遣いを示す意図と相互利益を求める思惑が明確に示されるのだ。

(スティーブン・M・R・コヴィー『スピード・オブ・トラスト』キングベアー出版)

 

意図を正確に伝えるためには、自分の「動機」、「思惑」、「行動」について考え、分析し、自分が部下にどんな意図を持っていると見られているか知ることが大切です。

リーダーになったからには部下を上手く動かす技術を習得しなければいけない、と思い込む。それは、実は間違いです。
リーダーになったからこそ、人を動かす方法よりもまず信頼を得る方法を身につけるべきなのです。
なぜなら、信頼があることによって部下たちは安心して思う存分パフォーマンスを発揮することができるからです。

そのためには、リーダーこそが自己分析を欠かしてはなりません。
自分の意図を伝え、部下たちに方向性を示すことができる信頼されるリーダーになれるよう、ぜひ本書や弊社が提供している「スピード・オブ・トラスト・リーダー」といった学習プログラムなどでヒントをつかんでいただきたいと思います。

【無料ガイド】リーダーが信頼を築くための6つのポイント

リーダーシップという役割において大きな部分を占めるのは、業績目標を達成するためにチームを鼓舞することです。しかし、チームメンバーがそれに応えるかどうかは何によって決まるのでしょうか?多くの場合、その答えは信頼にかかっています。リーダーが無意識のうちに信頼を損なっている組織では、チームメンバーは裏切られたと感じたり、やる気を失ったりして、仕事に心から打ち込めなくなります。

私たちフランクリン・コヴィー社の成功事例を参考にして、信頼関係を構築し、チームが業績目標を達成できるようにするとともに、プロフェッショナルな成長、生産性、コミットメントを促進していきましょう。信頼の文化を社内に築くために、このガイドを組織のリーダーである皆様とぜひ共有ください。

 

ご紹介項目
1. チームメンバーの仕事以外の生活について尋ね、必要に応じて便宜をはかる。
2.顧客や他のリーダーの不満の対象となっているチームメンバーの間に迅速に入り、解決への道を探る。
3.ささやかなことでも周囲の人の働きを認め、感謝する。
4.チームメンバー間の不和や確執に公正かつ効果的に対処する。
5.チームメンバーの現実的なキャリア目標を設定し、それを応援する。
6.サポートやコーチングすべきタイミングを見極め、それらをバランスよく行う方法について学ぶ。

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