昇進や異動など、環境が大きく変わることが多い春。
周囲の期待に応えようと、大きなプレッシャーにさらされる機会が増すのもこの時期だ。
ストレスで胃が痛くなることもあるだろう。
新しい環境にすぐに順応し、結果を出す同僚や仲間に嫉妬してしまったり、焦りを感じてしまったりすることもあるかもしれない。
プレッシャーに負けずに実力を発揮するには、どうしたら良いのだろうか。
スティーブン・R・コヴィー博士は、著書『7つの習慣』の中である禅僧の話を紹介している。
どんなに大きなプレッシャーにさらされても動じず、平静でいられる禅僧に、「どうしたらあなたのように平静心を保てるのですか?」と誰かが訪ねた。禅僧は「私は座禅の場を離れない」と答えたという。禅僧は朝早く座禅を組み、そのときの平静な精神を一日中、どこにいても頭と心の中に置いているのである。
自分の人生を自分で導くために、リーダーシップを生活の中心に置き、人生の方向、人生の究極の目的を見つめる時間をとると、その効果は傘のように大きく広がり、他のあらゆるものすべてに影響を与える、それによって私たちの精神は再新再生され、新たな気持ちになれるのである。
プレッシャーを感じるときこそ、他者を中心に置くのではなく自分を中心に置くことが大切だ。
そして、自分の価値観を守り抜こうとする意志が必要だ。
こうした精神的な側面の刀を研ぐ方法は、人によって異なる。
コヴィー博士の場合を見てみよう。
毎日聖書を読み、祈り、瞑想することが精神の最新再生になっている。聖書が私の価値観をなしているからである。聖書を読んで瞑想していると、精神が再生され、強くなり、自分の中心を取り戻し、人に仕える新たな決意が湧いてくる。
偉大な文学や音楽に没入したり、雄大な自然と対話したりすることで、最新再生を見出す人もいるという。
コヴィー博士が提唱する「自分の人生のミッション・ステートメント」の中に、自分の中心と目的を明確に記しておき、たびたび見直し、決意を新たにするのも良いだろう。
いずれにしても、時間の投資が必要だ。
偉大な宗教改革者であるマルティン・ルターは、「今日はあまりにもすべきことが多いから、一時間ほど余分に祈りの時間をとらなければならない」と言ったとか。
忙しい日こそ、より多くの活力を蓄え、それを力に変えるために、多くの時間が必要なのだろう。
プレッシャーを感じると、周囲の評価が気になるかもしれない。
しかし、まずは力が発揮できるよう自分を整えることが近道だ。
そうすれば、自然と周囲の評価はついてくる。