最近、部下と飲みに行くと愚痴ばかりだ。
相当不満がたまっているのを感じる。
原因は分かっている。
連携が必要な隣の部署が、新案件に大わらわで、私たちからの依頼への対応が遅れがちなのだ。
その結果、自分たちはきちんとやっているのに、顧客にお詫びをし、時にお叱りを受けなくてはならないのだから、部下の気持ちも分からなくはない。
正直、私だって愚痴りたいぐらいだ。
板挟み状態でつらい。
上司として、私は様子を見守りつつ、飲みに誘い愚痴を聞くことしかできないのか……。
それとも何か解決の糸口があるのだろうか。
そんな悩みを持つ方がいたら、スティーブン・R・コヴィーが説く「第1の習慣:主体的である」を知ってほしい。
不満がたまっている部下は、今の状況を作っているのは隣の部署のせいだ、と思っていることだろう。
この考え方をコヴィーは「反応的」と表現し、書籍『7つの習慣』の中で次のように説明している。
反応的な人は、周りの物理的な環境に影響を受ける。天気が良ければ、気分も良くなる。ところが天気が悪いと気持ちがふさぎ、行動も鈍くなる。主体的な人は自分の中に自分の天気を持っている。雨が降ろうが日が照ろうが関係ない。自分の価値観に基づいて行動している。質の高い仕事をするという価値観を持っていれば、天気がどうであろうと仕事に集中できるのだ。
反応的な人は、社会的な環境にも左右される。彼らは「社会的な天気」も気になってしまうのだ。人にちやほやされると気分がいい。そうでないと、殻をつくって身構える。反応的な人の精神状態は他者の出方次第でころころ変わるのである。自分をコントロールする力を他社に与えてしまっているのだ。
問題は自分の外にあると考えていると、不満がたまってしまいがちだ。
もし自分からは何もせずに、誰かが解決してくれるのを待っているようなら、この考え方を改めて、主体的に動いてほしい。
ここでいう「主体的」とは、人間として自分の人生の責任を引き受けることを意味する。
つまり、自分たちの行動を変えるのだ。
原因は、隣の部署の忙しさにあることは分かっている。
これを感情に流されず、隣の部署の気持ちになって考え、状況を読み取り、寄り添い、課題を補うことに努める。
自分にできることを探し、実行に移せば状況は変わってくることだろう。
そして上司は部下に対しても主体的な態度で接してほしい。
そうすることで、今度は部下も主体性を持つこととの大切さに気付き、理想的なチームを作る一歩になることだろう。