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ビジネスにおけるエンゲージメントとは|向上させるための5つのポイントを解説

エンゲージメントとは、契約や約束といった意味を指す言葉です。シチュエーションによって意味合いは異なり、ビジネスシーンでは組織への愛着や貢献意欲などを意味します。

この記事では、エンゲージメントを向上したいと考えている経営層や、マネジメント層に向けて、エンゲージメントとは何か、向上させるメリット、方法などを解説します。ぜひ役立ててください。

ビジネスにおけるエンゲージメントとは

エンゲージメントは、本来は「婚約」「誓約」「約束」「契約」などの意味を持ちます。ビジネスにおいては、「強い関心度」や「深い関係性」を表し、主に人事やマーケティング領域で活用されています。

人事領域におけるエンゲージメントとは

人事領域におけるエンゲージメントは、従業員と組織の心的な結びつきを示します。企業に対しての愛着や感情など、従業員が持つ企業方針への共感のことです。「従業員エンゲージメント」や「ワーク・エンゲージメント」とも称します。

マーケティング領域におけるエンゲージメントとは

マーケティング領域におけるエンゲージメントは、「顧客が企業をどれだけ信頼しているか」を示す指標です。「顧客エンゲージメント」とも称します。「顧客エンゲージメントが高い」とは、顧客が企業やブランド、商材に対して愛着や思い入れ、親近感など持っている状況を意味します。

従業員エンゲージメントとは

人事領域におけるエンゲージメントにおいて、「従業員エンゲージメント」が含まれることは、すでに述べた通りです。従業員エンゲージメントは、従業員と企業の信頼関係や、愛着心を意味します。社風や職場環境への適合や、貢献度などの要素だけではありません。従業員が抱く、企業に対する誇りややりがいが大きいほど、エンゲージメントが高いと考えられます。

従業員満足度との違い

従業員エンゲージメントの類義語に、「従業員満足度」があります。従業員満足度とは、「従業員が自分の仕事や職場に満足しているか」を表します。待遇、人間関係、ワークライフバランスなどに影響されることが特徴です。一方で、従業員エンゲージメントは、従業員が企業に対してどれだけ貢献しようとしているかという、「貢献意欲」を指します。

つまり、従業員満足度は従業員の満足度を、従業員エンゲージメントは従業員の企業への愛着や貢献意欲を意味していることが主な違いです。

従業員エンゲージメントの重要性が高まっている理由

従業員エンゲージメントの重要性が、なぜ高まっているのかについて関心をお持ちの人もいるでしょう。以下でその理由について解説します。

終身雇用が難しくなっている

社会情勢の変化により、従来の終身雇用制度の維持が難しくなっています。近年は、終身雇用の道を選ばず、転職するケースは珍しくありません。優秀な人材ほど、キャリアアップのために転職する人が増えています。人材流出を防ぐためにも、従業員エンゲージメントの向上が組織にとって重要だといえるでしょう。

価値観が多様化している

昨今は、仕事に対する価値観が多様化しています。待遇だけが仕事の満足度における判断基準ではありません。仕事や企業に何を求めるかは、個々で異なっています。従業員エンゲージメントの向上により、従業員と企業との強固なつながりを構築することが重要です。以下にて、従業員エンゲージメントについて詳しく解説します。

従業員エンゲージメントを高める5つのメリット

 

企業課題の解決に向けて、従業員エンゲージメントを高めることが求められています。エンゲージメントの向上がもたらす5つのメリットを解説します。

組織が活性化する

エンゲージメントが高ければ、従業員が日々の業務に対して、積極性や熱意を持って取り組めます。事業や組織、さらには自分自身の成長を目指して行動できるようになるでしょう。業務の課題を自ら発見し、積極的に解決に導けるような職場環境につながります。

また、消極的な従業員でも、エンゲージメントを向上させる企業努力に影響を受け、意識が変化していくことも考えられます。

業績が向上する

エンゲージメントが高い従業員は、組織に対する愛着が強いといえます。企業の事業課題や利益向上に、彼らが積極的に取り組むことで、結果的に企業の業績が向上します。組織全体の生産性向上や、製品やサービスの品質向上、売上増加、企業の競争力強化といった効果も期待できるでしょう。

従業員のモチベーションが向上する

エンゲージメントが高いと「貢献したい」という思いから、自主的な努力を続けます。成果を得ることで「貢献している」と捉え、さらにエンゲージメントを高める好循環につながります。企業との結びつきが深まると、たとえ成果を得られなかった場合でも、もともとの信頼関係によりモチベーションは保たれるでしょう。

定着率が向上する

エンゲージメントが高いと、従業員の定着率が向上し、経験やノウハウが備わった人材の確保・維持につながります。また、従業員のメンタル面に対する不調の予防が可能です。業務や企業に対して消極的な従業員は、不満を抱きやすく、心身の不調による休職や退職のリスクがあります。そのため、エンゲージメントを向上させることは、離職率の低下にも役立つでしょう。

優秀な人材を採用できる

近年は、人材の流動化が進んでおり、リファラル採用も活発になっているといえるでしょう。リファラル採用とは、従業員の紹介で採用することです。従業員が企業に強い愛着や忠誠心を持つことで、自分の職場を周囲の人に紹介する可能性が高まります。求める人材をスムーズに確保できるため、採用コストの削減にも貢献できます。

従業員エンゲージメントを測定する方法

従業員エンゲージメントを高めるためには、現状把握が必須です。従業員エンゲージメントを測定するには、定期的なアンケートをすることが一般的であり、その手段として「エンゲージメントサーベイ」があります。エンゲージメントサーベイは、従業員エンゲージメントを数値化し、現状を把握するための社内調査を指します。

月1回、半年ごとなど期間を決めて調査し、従業員エンゲージメントの推移を確認することが重要です。

 

調査前の段階で、対話の中でエンゲージメントの現状を確認したい方は次の資料をご参照ください。

従業員エンゲージメントの指標は3つ

エンゲージメントの現状把握には、3つの指標を活用します。

・エンゲージメント総合指標
・エンゲージメントレベル指標
・エンゲージメントドライバー指標

エンゲージメント総合指標とは、企業や組織における総合的な評価基準です。eNPS、総合満足度、継続勤務意向の3つで構成されています。エンゲージメントレベル指標は、従業員が業務や企業に対して、自分の貢献度を示します。熱意、没頭、活力の3要素に焦点を当て、UWESという項目が確立されています。

エンゲージメントドライバー指標は、企業で従業員のエンゲージメントを引き上げるための要因となる指標です。構成されている3つのドライバーを理解し、改善していくことで、従業員のパフォーマンス向上につながります。

従業員エンゲージメントを高める5つのポイント

従業員エンゲージメントを高めるためには、さまざまな取り組みが必要です。主な5つのポイントを解説します。

企業理念を伝える

経営側の考え方や企業理念を、定期的に従業員に伝えます。メッセージが正しく伝わっていない場合は、従業員の目的意識の低下や欠如につながる可能性があるため、注意が必要です。企業理念を共有して社内に浸透させることが、従業員との信頼関係の構築につながります。

マネジメント層を強化する

エンゲージメントを向上させるためには、マネジメント層が部下の向上心を高めることが必要です。そのためには、マネジメント層の強化が必須といえるでしょう。マネジメント層に対して、コーチングやトレーニング、フィードバックなどに関する人材育成を実施することが有効です。新入社員をサポートする「メンター・メンティー制度」も、エンゲージメントを向上させる方法の1つです。

従業員にオーナーシップを持たせる

従業員が自主性を持ち、自発的に行動できる環境は、エンゲージメント向上に役立ちます。業務において、支持されたことのみを行うといった状況では、やりがいも感じられず、成果も上がりません。オーナーシップを発揮させるためには、自由に発言できる環境にしたうえで、権限を委譲しましょう。

「働きやすさ」を重視する

従業員にとって働きやすい環境を整えることは、エンゲージメントの向上につながります。納得感のある給与や評価の仕組み、安心して業務を行える環境、新しいことに挑戦できる機会の提供、成長できる仕組みや環境づくりが重要です。長時間労働の常態化といった課題を抱えている場合、労働環境の見直しを行いましょう。必要に応じて、フレックスタイム制を導入することを検討してもよいでしょう。

社内のコミュニケーションを活発にする

職場環境は、風通しがよく、コミュニケーションが取りやすいことが重要です。社内の人間関係が悪いと、不満やストレスの原因になります。従業員同士のコミュニケーションが活発であれば、業務上の連携もスムーズになり、企業への愛着も生まれやすいといえます。仲間意識は、従業員エンゲージメント向上には欠かせない重要な要素です。

まとめ

企業におけるエンゲージメントの向上は、優秀な人材の確保や企業価値を高めるために必要です。そのためには、従業員と企業との信頼関係の構築が重要といえるでしょう。自社の従業員エンゲージメントの現状を把握し、向上のための対策を検討することが必要です。

最高の業績を上げている組織は、常に以下の4つの点を適切に実施しています。

・各階層で優れたリーダーを育成する
・個々人に効果的な習慣を形成する
・包括的で信頼性の高い文化を構築する
・共通の実行システムにより最重要目標を追求する

フランクリン・コヴィーは、上記の4つの重要領域における組織の行動変容の実現を通して
「お客様の成功」に貢献するサービス提供や支援をしています。人材育成や、組織風土の醸成や変革などご検討されている方はこちらよりお気軽に問い合わせください。

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チームのパフォーマンスを最大化し、戦略の実行力を高めるための基盤となる原理原則は存在します

本ガイドでは、組織内のあらゆるメンバーを巻き込み、重要な施策において優れた成果をもたらすための4つの信頼性の高い実行規律をご紹介します

ご紹介項目

原則1:フォーカスする

原則2:レバレッジを活用する

原則3: エンゲージメントを生み出す

原則4:アカウンタビリティを高める

最重要事項を実行する

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