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企業にとってのマインドセットの重要性とは?教育や研修などでシフトする方法も紹介

企業の業績は「マインドセット」によって変わることがあります。マインドセットは個人だけではなく、企業や組織にも存在するものです。この記事では、マインドセットとは何か、企業にとってのマインドセット教育の重要性やマインドセットをシフトする方法などを紹介します。組織の成長を促せるよう、ぜひ参考にしてください。

マインドセットとは具体的にどういう意味なのか

マインドセットとは、固定化された考え方や、思考パターンのことを意味する言葉です。人の考え方やものの見方、習慣や好みは、生まれつきの性格もありますが、その後の育てられ方、受けた教育、経験、先入観などによって固定化されていきます。このようにさまざまなものによって固定化された思考を「マインドセット」と呼びます。

ビジネスにおけるマインドセットとは

マインドセットは個人にもありますが、ビジネス用語としても使われます。ビジネスにおけるマインドセットの意味を解説します。

リーダーにとってのマインドセット

ビジネスにおいて、リーダーのマインドセットはチーム全体に大きな影響を与えます。成果の上がらない固定観念をリーダーが持ったままでは、チーム全体の業績が上がりません。チームを成功に導くには、ポジティブなマインドセットが必要とされるでしょう。

人材育成のためのマインドセット

人材育成のためのマインドセットは、指導される人材がどのようなマインドを持って仕事に臨み、どこまで成長できるかの鍵を握ります。したがって、人材育成の指導者はマインドセットについて理解しておくことが大切です。部下に対する指導は、常にポジティブなマインドセットを意識して行う必要があります。

心理学的な意味でのマインドセットの種類

ここでは、アメリカの心理学者キャロル・スーザン・ドウェックによって提唱されたマインドセットの種類を紹介します。

成長型マインドセット

成長型マインドセットとは、ものごとをポジティブに捉え、挑戦や努力を続けられる考え方のことを指します。成長型マインドセットを持つ人は、「努力次第で自分は成長できる」と考える癖がついています。成功を前提とした努力をすることができるため、成功をおさめるまで粘り強くものごとに取り組むことができるタイプです。ビジネスにおいても成功しやすいといえるでしょう。

固定型マインドセット

固定型マインドセットは、停滞型マインドセット、硬直型マインドセットとも呼ばれることがあります。これは「人の能力はあらかじめ決められており、努力や意志で変わることはできない」という考え方です。固定型マインドセットによってものごとを捉えるようになると、何を努力しても結果は変わらないといった考え方になりがちです。

ビジネスに影響するマインドセットの種類

先述のとおり、マインドセットはビジネスに多いに影響するものです。ビジネスに影響を与えるマインドセットには、以下のような種類があります。

社員個人のマインドセット

社員個人のマインドセットは、仕事に対する考え方に影響しています。個人のマインドセットでも、先述のような成長型マインドセットと、固定型マインドセットとがあります。

成長型マインドセットの人は、難易度の高い仕事や失敗に対しても前向きに努力を続けることができるため、ビジネスにおいても有利でしょう。

企業・組織のマインドセット

企業や組織にも、マインドセットが存在しています。企業におけるマインドセットとは、経営理念、経営方針、経営ビジョンといったものことです。

例えば、大企業とベンチャー企業では、価値観や仕事の進め方も異なります。必然的に大企業とベンチャー企業では、マインドセットが違って当然です。また、同じ組織でも、業務内容によってマインドセットが異なることもよくあります。

企業にとってマインドセット教育が重要な理由

企業でマインドセットが注目されている理由は何なのでしょうか。企業にとってマインドセット教育が重要な理由を解説します。

人材の成長につなげるため

社員のマインドセットが成長型に変われば、社員は新しい仕事にも積極的に取り組めるようになります。積極的かつ自主的に考えて仕事に取り組むことで、自分の仕事に自信を持てるようになると想定されます。結果的に固定型マインドセットに比べて、成長型のマインドセットのほうが高い目標を達成でき、社員の成長につながるでしょう。

成果に結びつきやすくなるため

成長型のマインドセットを持ち、積極的に業務に取り組むことで、対応できる業務が増えていくのはマインドセット教育のメリットの1つです。したがって、マインドセット教育は自然と社員のスキルアップをもたらす可能性が高いといえます。資格や勉強した内容を活かしての業績アップなど、成果にも結びつきやすいでしょう。

モチベーション向上のため


成長型マインドセットを持った社員が増えると、社員それぞれが自分の成長や達成を信頼できるため、社内全体が明るい雰囲気になることが特徴です。努力次第で成長できると考えるため、努力をする社員が増えるでしょう。結果、仕事に対するモチベーションが高まり、生産性の向上にもつながります。

組織としてのマインドセット構成要素

企業などの組織において、マインドセットはどのようなものから構成されているのでしょうか。組織としてのマインドセットの構成要素には以下のようなものがあります。

製品や事業

企業が提供する商品やサービス、事業の特性などは、組織におけるマインドセットの1つと考えられます。どのような商品、サービスを提供しているかによって、社員の意識、企業風土、業務スタイルが左右されるためです。

良好なマインドセットを維持するためには、時代のニーズや変化に合わせて柔軟に製品や事業を見直していく必要があります。

経営戦略や経営ビジョン

経営戦略や経営ビジョン、経営理念などは、組織が成長するうえで重要な、企業としてのマインドセットです。これらは経営陣と社員とが共有し、意識し合うことで、企業風土として定着し、業績の向上につながる可能性を持ちます。

したがって、組織全体でビジョンや理念を共有し、経営者と社員が同じマインドセットで業務に取り組むことが大切です。

企業としての経験

企業が過去に経験したことや遭遇した出来事、失敗も、マインドセットを形成する要素となります。経験したことそのものがマインドセットになるという意味ではなく、経験から得た学びや教訓を今後の戦略に活かすことで、マインドセットとして活かせる、ということです。これらは経営戦略や経営ビジョンに直結するものでもあるでしょう。

企業として個人のマインドセットをシフトする方法

企業として、個人のマインドセットに影響を与えるには、どのような方法があるかを見てみましょう。

自分のマインドセットを理解する

社員個人が自分のマインドセットの状態を把握する必要があります。成長型マインドセットができているのか、固定型マインドセットの状態に留まるのか等、自分自身に対して分析をしなければなりません。

ビジョンを明確にする

社員個人のマインドセットに影響を与えるためには、企業が企業としてのビジョンを明確にし、具体的な内容を言語化する必要があります。言語化することで、社員も企業の持つビジョンをイメージしやすくなり、またビジョンに沿ったマインドセットを持ちやすくなります。

実際に行動する

マインドセットをシフトするには、実際に行動する必要があります。明確に言語化したビジョンに沿って1つひとつの行動を考え、実行していかなければなりません。また、常に実行のチャンスをうかがい、さらに実行したことを継続することも大切です。

フィードバックをする

社員の行動を観察したうえで、行動に対して適切なフィードバックをするのも企業としての役割です。社員としては実行しているつもりでも、まだ不足している部分を第三者の目から見て、次の行動につなげるために何が必要かを検証する必要があります。

軌道修正をする

行動した結果、目標に近づいていない場合は軌道修正が必要です。フィードバックをもとに修正をかさね、引き続き目標に向かって取り組みましょう。修正点をふまえたうえで、再び行動することで目標が見えてきます。

マインドセット教育をする際の注意点

マインドセット教育には注意点もあります。企業として気をつけておきたいポイントは以下のとおりです。

時間をかけて定着させる

マインドセットの定着には時間がかかるものと心得ましょう。もともと固定型マインドセットが根付いている人は、マインドセットの変革に取り組んでも挫折しやすいため、長期的に取り組む必要があります。急かさないことも成功の秘訣です。

役職別に研修をする

マインドセット研修は、役職別に行うと良いでしょう。管理職には部下を育成するためのマインドセットも必要になるためです。自分自身がマインドセットを定着させながら、部下のマインドセットも定着させる技術を研修で学びます。

マインドセットの活用事例

マインドセットは具体的に、どのようなシーンで活用されているのでしょうか。企業におけるマインドセットの活用例を解説します。

採用活動に活用する

採用活動では、応募者のマインドセットが自社に合っているかどうかに注目して、選考することがポイントです。ミスマッチも少なく、自社にとって有能な人材を確保しやすくなるでしょう。

目標設定に活用する

従業員として業務に関する目標設定をするとき、成長型マインドセットをもって目標設定をすると、モチベーションの向上につながる可能性が高まります。目標設定に「きっと達成できる」という成長型の思考が介在すれば、やる気が出やすくなるでしょう。

コーチングに活用する

部下のコーチングに成長型マインドセットを取り入れることで、部下の自主的な改善や成長を促すことができます。部下が自分自身を「成長できる人間」と認めることでより大きな効果が発揮できるでしょう。

人材育成に活用する

マインドセットに個人が持つスキルや能力もあわせて強化することで、戦略的に成長を促し、人材育成につなげることができます。各々が経験から得た気づきをもとに、思考を変化させることも重要です。

まとめ

マインドセットは、自己の成長や成功を信じる要素の1つとして存在する、考え方の癖や固定概念です。成長型のマインドセットを持てれば、実際に日々の業務を成功に向けて動かすことができるため、多いに成果を上げる可能性が高まります。

社員に成長型マインドセットを定着させるためには、専門プログラムを導入し社員研修を実施することもおすすめです。フランクリン・コヴィーでは行動変容の実現を促すプログラムなど、「お客様の成功」に貢献するサービス提供や支援を行っています。大手企業を含めこれまでに約2,000の企業に導入された成長支援のプログラムをぜひご活用ください。

【お役立ち資料】リーダーとしてのマインドセットに目覚める
:新任リーダーに向けた 6つの実践ステップ

現場のリーダーになってから、仕事に対する考え方が大きく変わっていないのであれば、それは本当の意味ではリーダーになれていない可能性があります。
人を率いること個人として働くことには大きな違いがあります。

ご紹介項目:
1.考え方と行動を変える
2.チームメンバーとつながりを築く
3.言葉を賢く選ぶ
4.常に学び続ける
5.明確な道筋を示す
6.エネルギーを管理する

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