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アンコンシャス・バイアスとは?職場で起こりやすい代表例や対処による効果や方法など解説

アンコンシャス・バイアスとは、偏ったものの見方のことです。アンコンシャス・バイアスはすべての人が持っている可能性があります。この記事では、アンコンシャス・バイアスの基礎についてわかりやすく解説します。アンコンシャス・バイアスへの対処策についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。アンコンシャス・バイアスへの理解が深まる資料をダウンロード >>(無料)

アンコンシャス・バイアスとは?

アンコンシャス・バイアスとは、自分では気がついていない偏ったものの見方のことです。知識、価値観、過去の経験などにより発生します。そのため、アンコンシャス・バイアスの具体的な内容は、人によってそれぞれ異なります。

アンコンシャス・バイアスを放置すると組織内のさまざまなトラブルにつながる可能性があるため、対策が必要です。

アンコンシャス・バイアスは誰もが持ち得る

アンコンシャス・バイアスは、特別なものではなく誰でも持っています。たとえば、職業を聞いてとっさにイメージする人物像は、アンコンシャス・バイアスの影響を受けている場合がよくあります。

具体的には、「看護師」と聞くと女性を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、実際には男性の看護師も存在します。このような思い込みもアンコンシャス・バイアスのひとつです。

アンコンシャス・バイアスを持っているのは当たり前であり、悪いことではありません。しかし、アンコンシャス・バイアスによって問題が発生する恐れもあります。その無意識のバイアスによって誰かを傷つけ、帰属意識が薄れさせ、パフォーマンスを下げてしまうことがあるのです。そのため誰もがアンコンシャス・バイアスを持っていることを理解し、必要な対策を講じることが大切です。

 

職場で起こりやすいアンコンシャス・バイアスの代表

職場ではどのようなアンコンシャス・バイアスが起こりやすいのでしょうか。ここでは、具体的なアンコンシャス・バイアスの種類について解説します。

ステレオタイプ

ステレオタイプとは、属性に特定の特徴があるという考えをもとに判断することです。たとえば、さきほど例にあげた看護師は女性だというイメージもステレオタイプに該当します。また、日本人は控えめだというイメージや、高齢者はパソコンが苦手だというイメージもステレオタイプの考え方です。

正常性バイアス

正常性バイアスとは自分にとって不都合な情報を見ないようにしたり、大したことがないと思い込んだりすることです。たとえば組織内で問題が発生しても、自分が所属している部署には関係ないと思い込むケースが該当します。問題を過小評価し、再び同じことが起こる可能性はないと考えるのも正常性バイアスです。

権威バイアス

権威バイアスとは、権威のある人の意見はすべて正しいと考えてすぐに信用することです。たとえば上司の指示に従えば間違いないと思ったり、専門家の意見を鵜呑みにしたりするケースがあげられます。権威バイアスによって情報をよく確認せずに信用すると、問題やトラブルが発生するリスクがあります。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分にとって都合の良い情報だけを集め、それを信じることです。逆に自分の都合の良い情報に合致しない情報(自分が持っている先入観や仮説以外のもの)は見ないようにします。

たとえば、子育てをしている女性は仕事よりもプライベートを優先すべきだという先入観がある場合、子育てと仕事を両立している女性に関する情報を無視します。

集団同調性バイアス

集団同調性バイアスとは、所属している集団の意見にあわせることです。たとえば、組織内でパワハラやセクハラなどが横行していても、周囲の人が見て見ぬ振りをしていれば自分も同じように気がつかないふりをします。集団同調性バイアスを持っている人が多くなれば、コンプライアンス違反などの重大な問題に発展するリスクもあります。

ハロー効果

ハロー効果とは、ひとつの特徴だけに注目してすべてを同じように評価することです。たとえば難関大学の出身者は仕事ができるという考え方は、ハロー効果に該当します。しかし、難関大学を卒業しているという事実は、仕事ができるかどうかには直結しません。それぞれの状況を個別に考慮し、実際はどうなのかを判断すべきです。

慈悲的差別

慈悲的差別とは、少数派に対して好意的な思い込みをしていることです。たとえば、子育てをしている女性には責任のある仕事を任せてはいけないという考え方が該当します。子育てをしている女性への配慮と捉えられますが、実際は子育てをしながら仕事も頑張りたいと思っている女性もいます。好意的な思い込みでもアンコンシャス・バイアスかもしれないため要注意です。

アンコンシャス・バイアスが生じる3つの要因

アンコンシャス・バイアスはなぜ生じるのでしょうか。ここでは、アンコンシャス・バイアスが生じる要因について解説します。

エゴ

アンコンシャス・バイアスは、自分を守ろうとするエゴにより生じる可能性があります。たとえば、自分をよく見せたいというプライドや自分を正当化したいという自己防衛心によりアンコンシャス・バイアスが生じます。

習慣

昔からの習慣や当たり前だと思っている常識により、アンコンシャス・バイアスが生じる場合もあります。特に、時代が変化しても自分の考え方に固執していると、世の中とのズレに気がつかずアンコンシャス・バイアスになる可能性があります。

感情

劣等感を持っている部分や特別なこだわりのある部分に触れられた場合、人は本能的に自分を守ろうとします。感情的になり、冷静に物事を考えられなくなる場合が多いです。その結果、アンコンシャス・バイアスに基づく偏った意見を言ってしまうケースがあります。つい攻撃的な言葉を発してしまう可能性もあります。

アンコンシャス・バイアスにより生じるデメリット

アンコンシャス・バイアスが生じると、さまざまなデメリットが発生します。ここでは、個人と組織のそれぞれのデメリットを解説します。

個人にとってのデメリット

アンコンシャス・バイアスは言動に現れるため、組織内の人間関係にも悪影響を及ぼすリスクがあります。人間関係が悪化すれば、仕事に対するモチベーションが低下したり、パフォーマンスが落ちたりするでしょう。

また、アンコンシャス・バイアスに基づいて社員を評価すると、成長する機会を奪う恐れもあります。

組織にとってのデメリット

公平な評価への影響

組織のリーダーがアンコンシャス・バイアスに基づく考え方を持っている場合、マネジメントにも影響が出ます。社員を公平に評価できず、優秀な人材が活躍しにくくなる恐れがあります。

また、先入観や偏った見方で物事を捉えていると新しいアイデアを受け入れられず、イノベーションの機会を失う可能性もあるでしょう。

多様化の阻害につながる

アンコンシャス・バイアスがあると、採用においても偏った判断が行われるリスクがあります。その結果、組織の多様性を阻害し、パフォーマンスの低下にもつながります。

ある調査では採用活動において出身大学だけで候補者を不採用にしたり、面接を開始してからわずか5分で候補者の印象を決めつけたりしていたことが発覚しました。このような採用活動を行っていると、似たような背景を持つ人だけでチームが構成されてしまいます。そのため、多様性のあるチームを実現できません。

アンコンシャス・バイアスの注意点

すでに解説したとおり、アンコンシャス・バイアスは誰もが持っている。アンコンシャス・バイアスそのものをなくすことはできないため、アンコンシャス・バイアスを自覚したうえで行動すべきです。

特に、組織のリーダーや管理職は、ポジション・パワーにも気をつけなければなりません。組織のリーダーや管理職の何気ない一言は、ほかの社員にとって大きなストレスになる可能性もあるからです。常にアンコンシャス・バイアスを意識し、ほかの人が不快にならないように配慮する必要があります。

アンコンシャス・バイアスに対処することで得られる効果

アンコンシャス・バイアスに対処すれば、ハラスメントの防止やダイバーシティの推進につながります。また、仕事に対する個人のモチベーションも高められるため、組織全体がよりスムーズに業務を進められるようになるでしょう。結果として業績が向上したり、組織が安定的に存続できたりする可能性も高まります。

アンコンシャス・バイアスへの対処策

アンコンシャス・バイアスに対処するには、マインドセットとスキルセットの2つのトレーニングを行う必要があります。マインドセットはアンコンシャス・バイアスについて知り、自分のアンコンシャス・バイアスについて気づくフェーズです。さらに、スキルセットにおいて、アンコンシャス・バイアスに対処します。

アンコンシャス・バイアスへの対処においては、この「知る」「気づく」「対処する」の3ステップを踏むことが大切です。

まとめ

アンコンシャス・バイアスはすべての人が持っている可能性があり、それを自覚する必要があります。そのうえで適切に対処すれば、組織の運営をスムーズに進めるために役立つでしょう。

フランクリン・コヴィー・ジャパンについて

フランクリン・コヴィー・ジャパンの人材育成プログラムは、組織の目標と課題を考慮したプログラムによりKPIに影響を与える支援をするものです。「アンコンシャス・バイアス」プログラムもその一環で、ダイバーシティだけでなく、インクルージョンにも着目している点が特徴的です。ぜひ、プログラム内容をご確認ください。

フランクリン・コヴィー・ジャパンは、組織の目標と課題にあわせたプログラムを設計して研修を行っています。米国フォーチュン100社の90%、グローバル・フォーチュン500社の75%に導入されており、世界の147カ国で展開されています。組織のアンコンシャス・バイアスへ対処するために、ぜひ導入してください。

フランクリン・コヴィーの「アンコンシャス・バイアス」プログラム

多くの企業でダイバーシティ&インクルージョンに関する何かしらの取り組みが行われています。しかしその取り組みが「ダイバーシティ」という側面、つまり「多様性が存在している」という点にフォーカスするだけでは不十分です。

これらの取り組みを組織のありたい姿にまで結びつけるためには、もう一つの側面にあたる「インクルージョン」、つまり一人一人の持つ多様な価値観を組織と個人が尊重し、活かすことがポイントとなります。

フランクリン・コヴィーの「アンコンシャス・バイアス」は、お互いを1⼈の⼈間として理解し受け⼊れ、リーダーやチームメンバーがバイアスに対して相応しい対処ができるようにすることで、組織全体のパフォーマンス向上ををサポートします。

【無料ガイド】アンコンシャス・バイアス:
それは組織のリーダーにどのような影響をもたらしているのか?

アンコンシャス・バイアスは、職場のあらゆる場面で現れるものです。 

本ガイドでは、リーダーに対してアンコンシャス・バイアスがどのような場面で作用し、周囲に影響を及ぼす可能性があるのかを具体例を交えてまとめています。

ご紹介項目
・アンコンシャス・バイアスとは?
・どのような場面でリーダーにアンコンシャス・バイアスが影響するのか?
・なぜ職場でアンコンシャス・バイアスに取り組む必要があるのか?

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